アートワイヤージュエリーとは

「アートワイヤージュエリー」とは、ワイヤーを用いてペンチやヤットコで作るアクセサリーです。ワイヤーでアクセサリーを作る方は他にもたくさんいらっしゃいますが、ここでは、ショウヨリコが独学で習得してきたオリジナル技法による作品群を、「アートワイヤージュエリー」と呼んでおります。「AWJ(R) 」という略称で覚えていただければ幸いです。

独学で作っていると申しますと、たいていの方から「何がきっかけではじめたの?」とよく聞いていただきますが、きっかけはほんとに些細なことで、学生時代にお友達が身に着けていた、かわいらしいシンプルなリングを見て、いたく感動したのがきっかけでした。

はじめは思い付きから、1種類の太さのワイヤーとチープなビーズ1~3個だけのリングからはじまって、

たくさんの種類の太さのワイヤーと細かなビーズを使うようになりながら試行錯誤を続け、

そのうちにシリコンペーストと出会い、そこからまたワイヤーとシリコンの様々な組み合わせ方法について試行錯誤を重ねてきました。

「身に着ける立体の絵画」という、自ら打ち立てたコンセプトにふさわしいと心から思える技法にたどり着いたのが2019年。ワイヤーをいじり始めてから、ゆうに20年以上経ってのことでした。この技法を「シリカジュール」技法と呼ぶようになったのも、それからのことです。

「シリカジュール(R)」とは、「シリコン」と「ア・ジュール」を組み合わせた造語です。
シリコンとは、樹脂の中のシリコンゴムのこと。キッチンツールでもおなじみです。ガラスのような見た目ながら、水や衝撃に強くて軽いので、気軽に装着できます。

ア・ジュールとは、フランス語で「透かし模様入りの」を意味します。教会のステンドグラスのイメージです。

この造語は、アールヌーヴォー時代に花開いた宝飾品で有名な超絶技巧、「プリカジュール」にヒントを得ました。

プリカジュールとは、土台となる銅板に金属線の枠をのせて七宝の釉薬を流し込み、後に銅板を溶かし去ることにより、まさにステンドグラスのような効果を生み出す技法とのことですが、大変高度な技術力と根気を要す上に失敗率が高く、現在ではプリカジュール技法を再現できる職人はわずかで、その作品の多くは博物館入りしているようです。

出展 https://www.antique-jewelry.jp/antique_episode/jewelry-ej00271.html

プリカジュール技法による、ルネ・ラリックの作品
出典 https://rlalique.com/rene-lalique-anemones-brooch-4005

希少価値ではプリカジュール技法のものには遠く及ばないかもしれませんが、手軽に繊細な立体感を表現できる上、使いやすい軽さと丈夫さをもつ、AWJの「シリカジュール」技法は、身に着ける人、作る人共に、大きな喜びと感動をもたらすことができるとショウヨリコは信じ続け、多くの試行錯誤と失敗を乗り越えてきました。

アートワイヤージュエリー(AWJ)には、シリカジュール技法によるものだけではなく、ビーズを多用したリボンモチーフや、石留めの技法、革紐使いのものなど、様々あります。
 基本的には変色の心配のないステンレスワイヤーを中心に使用しています。
一般的なワイヤークラフトに使われる真鍮線やアルミワイヤーに比べるとなかなか固く扱いずらいものですが、使用価値と美しさを考えて、太めのものを枠に使用しています。

銀座などで10回を超える個展開催などの経験から、お客様目線に立った使用価値のある作品作りのコツも磨き上げてきました。約4半世紀にわたる試行錯誤の成果を、求める方にわかりやすくお伝えするべく、15年程の教室の経験を経て、動画配信型のEラーニングスクールを開校しています。